ここから西暦が始まる。
“Church of the Nativity”
ダマスカス門正面のバスターミナルから、パレスチナ行きのバスがいくつか出ているのでそこから乗車出来ます。値段は10シェケルいかない位。
途中のボーダーゲートでパスポートコントロールが入るので絶対忘れない様に。エライ事になります。想像したくない。
1時間強でパレスチナ到着。
いわゆる「ヨルダン川西岸地区」と言われている場所。
色々物騒なニュースを日本で散々耳にしてきているので、流石にココばかりは鬼の緊張が走る。
バスから降りると思いの外カオス感は無く、ちょっと小汚い幹線道路沿いで地元民が各々せっせと仕事をしている。もちろんガン見されるけど。お馴染みのタクシー客引きが数人ちょっかい出してくる程度で、ヤバさはそんなに無い。
観光客はタクシーやツアーバスで移動するのが一般的の様だけど、俺は当然徒歩で市内を徘徊。このドキドキ感が快感になってきた。
パレスチナ人は、あまり我々観光客にホスピタリティは無いけれど、街中は結構賑やかで色々なモノが売っていて活気が溢れていて楽しい。全てのものが初めて見る。異常なまでの刺激が脳ミソのメモリーを全て入れ替えてくれる様な脳内洗浄力。
パレスチナ市内中心部の裏路地で、何故かふと、足が止まったアクセサリー屋に立ち寄る。
静かな店内と、過度な接客をしてこないオーナーが時折見せてくれるアクセサリーに心打たれていくつか購入。話を聞くと、この場所で80年も昔から代々続いているアクセサリー屋さんだそう。息子は海外でwebデザイナーをしているとの事で話が盛り上がった。
日本人で1人で旅をしている、と言ったらすごく喜んでくれて少しディスカウントしてくれた。ベツレヘムに行った際は是非オススメのお店だよ。
そしてそのお店の正面側にあるのが、
ここベツレヘムで一番の目的、イエスキリストが生まれた場所、
“降誕教会”（Church of the Nativity）。
俺の中では、今回の旅でここが1番のパワースポットだと思っていたので、訪れることが出来て本当に感激。感無量。ここから西暦が始まっている。肌で味わうこの世界観。本当に震えるよ。
キリスト教では無いけど、全世界に影響を及ぼしている崇高な土地。
聖墳墓教会もそうだったけど、派手では無いがオーラに包まれた神秘的な教会。ここも当然世界中の巡礼者で埋め尽くされている。
聖母マリアがイエスキリストを産み落とした伝説の場所で、そのイエスが生まれたとされる馬小屋の中心部は十四芒星が埋め込まれていて、1人しか通れない程の超狭い入口を通って祭壇まで行く事が出来る。
ここだけは何があっても行きたかったので、信者の方達に続いて長時間並んだ。
周りの装飾はため息が出る程美しく、中心部は信者の行列とパニック感、自分の番が回って来た時の緊張と達成感で人生で一番感動した。
普段身に付けているネックレスと、さっき購入したアクセサリー類を祭壇に起きお祈りする。
“仲間や家族に神のご加護があります様に“
降誕教会を出て少し進むと、もう一つの教会、
“Chapel of the Milk Grotto”（ミルクグロット）がある。
ここは、聖母マリアが赤子のイエスキリストに母乳を与える際、溢れた母乳が地面に落ちて一瞬にしてミルク色に変わったとされるカトリックの礼拝堂。
その様な伝説もあるので、クリスチャン以外にもムスリムの方も含め、不妊や母乳が出ない女性が沢山訪れる教会としても人気。中は乳白色に包まれた優しく綺麗な教会で、とても癒される。ここは女性に超オススメ。絶対来て。絶対。
せっかくなので、ここベツレヘムで歯磨き粉や石鹸、シャンプーなど生活用品を買ってみたよ。そこそこクオリティも良く、ビールも売っていたので、ムスリムの方達に迷惑を掛けない様に、久々のアルコール。
マジでクソ美味い。
パレスチナのど真ん中で1人丸腰でビールを飲む。
人生はなんて最高なんだ！
