Church of the Holy Sepulcher.
@Golgotha hill
3つの宗教の聖地、エルサレム。
凄い爆音のコーランで起こされる事朝7時。世界最強の目覚まし時計炸裂。
朝起きてこの景色は中々見れないでしょう。結果ここに泊まって良かった気がする。気づくと、無造作に敷かれた10数人分のマットレスが。割と気にせず当たり前の様に女の子も寝ている。これが世界基準。
全体的にイスラム圏の国は朝の動き出しが割と遅い。ここイスラエルも例外では無く、朝はアーケード内も開いているお店も少なく人もあまり居ないので、散歩や徘徊、観光にはベストタイムです。
まずは世界最大の信者数を誇るキリスト教の聖地巡礼にむかう。
ここエルサレム旧市街に着いて早々に思う事は、この世にはどんな形であれ、確実に“神“が存在すると言う事。これはエルサレムに来れば誰しも絶対に感じる事が出来ると思うよ。
そして、初めて触れるヘブライ語にマジビックリした。文字だと思わない位分からない。
イエスキリストが十字架に磔にされ処刑された話は余りにも有名だが、その際、十字架を背負わされ処刑を宣告され、ゴルゴダの丘で処刑されるまでの道中を綴った、
“苦難の道” (ヴィア.ドロローサ)
と言う、イエスキリストと同じ道を歩む観光ルートが、信者達の聖地巡礼の有名コースとなっている。個人的にはこの迷路の様なエルサレム旧市街を知る事が出来て好都合なので、順に追ってみることにした。
1~14留までポイントがあり、それぞれの場所でイエスキリストの身に起った出来事を各ステーション(留)でチェックする事ができる。数字の碑がそれぞれあるので分かりやすい。
ちなみにこのルートを辿る前に、予めヴィア.ドロローサについて下調べしておく事をオススメするよ。その方が臨場感に加え感情移入も出来るので、とても面白い。勉強にもなるしね。
世界中から集まる巡礼者達が、声を上げて行き来しているその光景は、本当に圧倒されます。
そしてイエスキリストが処刑され、埋葬されたとされる“ゴルゴダの丘“に建てられた教会が、キリスト教の聖地中の聖地、
「聖墳墓教会」 Church of the Holy Sepulchre。
中に入ると、今まで見てきた各国の教会や聖堂で感じる物とは桁違いのオーラと神聖さで全身の鳥肌が止まらない。ヴィア.ドロローサの11~14留はこの中で見る事が出来ます。
十字架に処された場所、十字架で息を引き取った場所、降ろされ母マリアが悲しんだ場所、遺体の埋葬処理を施したとされる“塗油の石“など、見所があり過ぎて完全に放心状態。
イエスキリストのお墓があったとされる中心部は誰でも入る事が出来るので、世界中から集まる信者の方達と一緒に並ばせてもらい、見学させて頂いた。
ここが、“ヴィア.ドロローサ“の終点でもある。
屈んで入る小さな部屋内には聖なる台が備えられていて、そこで信者の方達は人目を憚らず膝から崩れ落ちるように祈りを捧げて、キスをしたりしがみついたり、身につけているアクセサリーを擦り付けたり、中には泣き出す人もいる。
想像を遥かに超える光景と、宗教の偉大さをを体感出来、聖地に来る事が出来て、
本当に本当に、感動した。
聖墳墓教会を後にし、次はイエスキリストが処刑される前日に弟子を集めて食事をした、最後の晩餐の部屋へ向かう。“Leonardo da Vinci”の有名な絵画の方が有名だけどその場所。途中アルメニア人地区を横断し、シオン門から外に出た先の ”シオンの丘” にある。
ユダヤ教ダビデ王のお墓がある2Fにその部屋があるんだけど、意外と質素で殺風景な部屋。何故ここを選んだのか、ちょっと疑問の残る場所。言われなければ分からない程のノーマル感。
そこから数分進んだ所に、あのマリア像が納められているエルサレム最大の教会、
「マリア永眠教会」がある。
イエスキリストの母、マリアを祀った教会。
世界中で耳にする、本物の聖母マリア像。そのマリア像が目の前に。とても感慨深い。女性達のすがる姿がとても印象的だった。日本では絶対にお目にかかれない、人々の宗教に対する強烈な信仰心と熱い気持ち。
礼拝堂の迫力と、キリスト教に改心しようかと思わせる程のパワーと温もりを感じる事が出来る、めちゃくちゃ感動的な教会です。
世界の宗教分布の割合が、キリスト教が約25億人、イスラム教が18億人、ユダヤ教が1700万人と言われていて、さらにこの3つの宗教がどの様な関係性で、どの様な意味を持ちそれぞれの神の定義はどういうものなのか、
この歳で初めて知る事となり、人間として日本人である自分が少し恥ずかしい、とエルサレムで本当に思い知らされた。多分日本人だけだと思う。知らないの。
世界は俺ら日本人の数百倍前を歩いている気がして、堪らなかった。