Moroccan hospitality,
” شكرا يا صديقي ” (友達ありがとう)
怒涛のスペイン国境～モロッコ行軍を終えて心身共に疲れ果てたが、まだまだ先は長い。
ここシャウエンは結構小さな街なので、1日じっくり回れば十分堪能できる規模感。日帰りでも良いと思うけど、日が昇ってる日中と夜で全然街の表情が違うので、出来れば1泊してゆっくり散策して欲しいです。猫もたくさん住んでいます。
現地民は朝が割と遅いので、ゆっくり朝御飯を食べてのんびりショッピングが良いよ。
絨毯やラグが名産なのか、種類も豊富で質も物によっては非常に良い。ハンドメイドのタイルや壁紙などすごく精巧に作られている。どうやらモロッコは、場所に寄って革製品、シルバー、織物など、名産品がそれぞれ違うらしいよ。ココは織物なのかな。
モハメドが見せてくれたラインナップは、どれも何十年掛けて作った至高の逸品だそう。
ちょっと疑ったが、それを察してか、ハンドメイドで作っている現地の工房を見せてくれた。本当に一つ一つイスラムの職人が粉まみれになりながら丁寧に作っていた。サーフボードのシェイプルームと同じ様な俺好みの空間。日本で販売したら幾らになるのか想像も出来ない程のクオリティーだ。
モハメド自身も、ポストオフィスがあってそこから日本に送れるから送ったらどうだと提案してくる。しかも船便だったら時間は掛かるけど大量に安く運べるぞ、と。
おっしゃる通りだ。
だんだんモハメドがやり手の敏腕商社マンに見えてきた。現に先見の目がある輩達は、頻繁に買い付けに訪れているらしい。そりゃそうだよね。
日本に戻ったら何か企画しようと思う。
一通り観光したので、次の中継地、迷宮都市“Fes“に向かうことにする。
現地住人の情報によると、フェズは割と大きな街でそれに伴い犯罪も多く、危険度が増すらしい。夜は絶対出歩くな、と。
ゾクゾクする様なネーミング。聞いただけで大冒険の匂いが半端じゃないが、バスのタイミングもあるのでフェズでの滞在を諦め、休憩がてら数時間だけ寄り、一気にサハラ砂漠の前線基地、Rissani(メルズーカ)に向かう事にする。
そして今回ここシャウエン、最大の謎でもあるモハメドの正体だが、
多少のお節介と過保護な対応はご愛嬌として、親切で賢く気の良い地元住民だった。
結局Rissaniまでのバスも正規金額で手配してくれ、サハラ砂漠のツアーも紹介してくれ、コーヒーやタクシーも出してくれ至れり尽くせりだった。恐らく、自分の育った自慢の街を、辺境の地から来た東洋人にただ単に紹介してあげたかったのだと思う。
もちろん感謝の気持ちを込めてチップを渡したがそれは大した問題では無い。
一番の問題は、ネットの過度な情報を鵜呑みにして、モロッコ人全員を悪人と思い込み、疑いの目で彼らを見ていた俺の荒んだ心だった気がする。
リスクヘッジで警戒する気持ちはもちろん最重要だが、日本人が思っている以上に大半のモロッコ人は優しいと言う事をここシャウエンで感じる事が出来た。ありがとう。必ずまた来ます。
午後15時半発着の国営バス会社「CTM」で一路フェズへ。
金額はRissaniまでの通しで片道245DH。
19時、フェズ。
確かに規模が大きい街で、シャウエンに比べると人で溢れかえっている。ちょうどラマダン終了間際なので街が忙しない。当然ながら喧嘩もそこら中で起きる。モロッコ人は全体的に超せっかち。あと結構な剣幕と大声でコミュニケーション取るからキレてんじゃないかとホント思うよ。
旧市街入り口でタクシーを降り、この先のメディナと言う名の迷宮に吸い込まれたら当分出てこれなそうなので、手前の店で夜飯。
初めて本場“クスクス“を食べた。思ったより全然美味い。デカイ粉を食べている感じ。若干のパサパサ感はあるものの、野菜とチキンがこれでもかと乗っているのでヘルシーで爆食い出来る感じ。スタッフのホスピタリティも抜群で、フェズ、全然大丈夫だよ。観光都市だしね。
どうぞこの先の迷宮都市に足を踏み入れ、思いっきり楽しんでみて下さい。この先はみんなに託します。羨ましい。
22時のバスに乗り、ここから夜通し9時間、地球の僻地、”サハラ砂漠”に向かう。
