Hieroglyph.
Tutankhamun’s Tomb.
今回エジプトで絶対に行きたかった世界遺産がもう一つ。
紀元前2000年位前に、あのツタンカーメンやラムセス、ネフェルタリ王妃など、古代エジプトの王族が眠る、“王家の谷“。ハプシェプスト神殿もある、Luxor(ルクソール)。
カイロから南へ約650km。ナイル川沿いの小さな村。
正直言うと、カイロで既に心身共に疲弊してしまったので、ここよりもさらなる客引きが大量に潜伏していると言うルクソール。そして何もブッキングせず、一人で片道10時間以上の日帰り往復と言うバカげたプラン、流石に見送ろうとさえ思った。
しかし、ここで引いたら男じゃ無い。歴史を見る為に行く事に決めます。
とりあえず下調べする時間も無いし、iPhoneも使えず情報が乏しいが、もう、Just do it。行くしかない。Luxorへ。
カイロ21時発。コミッションを結構取られたが行きのチケットだけは宿で手配してもらった。夜行列車の1等席、$30。10時間半。
まず出発のラムセス駅、掲示板がぶっ壊れていてどこのホームからなのか全く分からない。さらにチケットもよく見ると何車両目かが書いていないので全然分からない。ホームには乗らない客まで何故か大量にいてカオス状態。
定刻よりも早く列車が来たお陰でもうこれなのか何なのか全く理解不能。4.5.人に聞いても基本エジプト人は何故か全員当たり前の様に嘘をつくのでみんな言う事バラバラ。マジ最低なんだよね。
もうどうにもならないので得意のロシアンルーレット発動。乗り込む。
どうやら運良くあっていた様で、そのまま南下。ギリギリセーフ。マジで本当に嫌だ、コレ。
冷房が鬼の様に聞いた車内でダウンに包まり10時間半。だが、ここでももちろんルクソールが終点では無いのでウカウカ寝てられない。またもやほぼ不眠のまま、朝6時ルクソール到着。
体力が回復しないまま駅を出ると、もう恐るべし光景。日本人一人なんて、完全に「鴨がネギ背負ってきた」状態。超集まってくる。ドッキリみたいに落とし穴掘りたいです。客引きの嵐。
まぁどちらにせよノープランで、さらにここからナイル川を越えて、西側、数十km離れた砂漠の山中に突撃しなければならないので、超鬱陶しいながら色々交渉。
ちなみに古代エジプト時代、ここルクソールはナイル川を挟んで東側が生者の街で、西側が死者の街だったらしい。だから西側の砂漠が広がる死者の街側に、王家が沢山埋葬されている様だよ。
本来ナイル川をフェリーで越えようと思っていたが、オールインクルードで150EPで行くと豪語する鬼しつこい31歳黒人君のオンボロタクシーに乗車。
助手席に座ると、何故か東洋人大好きらしく、永遠超セクハラの嵐。いい奴なんだが本当にメチャクチャ気持ちが悪い。
この旅で全く女性に触れていないが、だからと言って、こんなビカビカ真っ黒のエジプト人に体を許す位なら、このナイル川に飛び込んで、ナイルワニの餌食になった方がまだマシだ。
そんな押し問答を車内で行うこと小1時間、ついに到着。
超灼熱。 2秒で砂になりそう。水と被り物がないと生きていけない世界。
所々“アラバスタ“と書いてある、休憩所だかおみやげ屋さんだかがいくつか軒を連ねている。どういう意味なんだろう。実写版ワンピースの世界。ファンにはマジで堪らない土地だと思うよ。
俺の好きなビビとカルーは何処にも居ない様だ。
古代エジプト、歴代の王たちが眠る紀元前2000年以上前に造られた、世界で守るべき最強の歴史の遺産、“王家の谷“。ここに今発見されているものだけで、65基の王族の墓が存在していて、さらに探索が続いているのか、所々に発掘中の後の様なものが確認出来た。
ここでは、入場料200EP払うとその数ある墓の中から好きな墓を3基まで見る事が出来る。だが、写真撮影は別途300EP。ここまで来てケチってもしょうがないのでもちろん撮影券もゲット。
ツタンカーメンとラムセス6世、セティ1世の墓は別料金で、かなりの高額を払わないと見る事が出来ないし、時間と1日の人数が決まっているので今回は墓内の構造とヒエログリフで十分だし、お金もそんなに使えないので辞める事にした。
後は気合の入ってる猛者に託すので、どうか是非見に来てください。
王家の谷の中でも、どうやって雇われているのか謎なエジプシャン共がそれぞれ大量に待ち構えており、無理矢理なお節介を喰らい続けその都度チップを請求されるので、イヤフォン等で全ブロックして下さい。
言葉にいい表せない程の、美しいヒエログリフ。象形文字。そして何だかカワイイ。
今から何千年も前に、この様な人達がここで活動していて、後世に何か伝えようとここに残した文字や遺体、装飾品。長い長い歴史の旅路がギッシリと詰まっている今、まさにこの目の前の光景を、しっかりとこの目に焼き付けた。
浪漫溢れるこの王家の谷に来て、是非その目でこの素晴らしい芸術と人類の歴史の数々に触れて欲しい。人類の進化を目の当たりにして、本当に感動する。
この後は例のゲイエジプシャンが待機しているオンボロタクシーに乗り、次の目的地、紀元前1500年頃にエジプトで最初の女王となったハトシェプストのための葬祭殿、
“ハプシェプスト神殿“ に向かう。
ああ、憂鬱だ。